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目黒 義弘; 扇柳 仁*; 富岡 修; 井村 久則*; 大橋 弘三郎*; 吉田 善行; 中島 幹雄
Proceedings of 2nd International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications (Super Green 2003), p.175 - 179, 2004/00
超臨界流体抽出の最大の特色の一つは、圧力によって金属の分配挙動を制御できることである。この溶媒効果を理論的に解析することによって、金属抽出における最適な条件を推定することが可能となる。硝酸溶液/リン酸トリブチル(TBP)系の超臨界二酸化炭素抽出におけるウラン(VI)とプルトニウム(IV)の分配比(D)及び塩酸溶液/2-メチル-8-キノリノール(HMQ)系の抽出におけるパラジウム(II)の分配比を、種々の圧力で測定した。疎水性の抽出剤であるTBPを用いるウランとプルトニウムの抽出において、分配比の対数値(log D)と二酸化炭素の溶解パラメーターとの間に、負の傾きを持つ直線関係が観察できた。一方、親水性抽出剤であるHMQを用いるパラジウムの抽出では、log Dと溶解パラメーターとの間に、正の傾きを持つ直線関係が観察できた。正則溶液論を用いて、この直線関係を理論的に導出することに成功した。
黒崎 譲
Journal of Physical Chemistry A, 105(49), p.11080 - 11087, 2001/12
被引用回数:3 パーセンタイル:9.19(Chemistry, Physical)CH+Cl反応の水中における電荷分離過程を、反応系に4個の水分子を加えたクラスターモデルを用いて非経験的分子軌道法により研究した。その結果、最終生成物である電荷分離錯体(M3)は反応系の解離極限、CH+Cl+4HO、より4.3kcal/molエネルギー的に低く、反応系で生成する錯体(M1)より0.6kcal/mol高いことが予測された。また、気相中の自由エネルギーを求め、それに溶媒和自由エネルギーを加えることによって全自由エネルギーを計算したところ、M3の全自由エネルギーはM1より5.1kcal/mol低いことが予測された。この結果は水中におけるこの反応系の電荷分離過程が自発的であることを強く示唆する。
黒崎 譲*
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 503(3), p.231 - 240, 2000/05
本研究では、まず気相中における反応CH+ClCHClの機構について理論的に検討した。極限的反応座標(IRC)計算の結果、得られた反応物、遷移状態(TS)、生成物が1つの反応経路上にあることが確認された。反応の活性化エネルギーはPMP4及びB3LYPレベルで、それぞれ36.3,35.9kcal/molと計算された。次に、溶媒中における同反応の機構について検討した。その結果、極性溶媒中では気相中のようなTSが存在しないことが予測された。また、気相中では励起状態であったCHCl+Clが、極性溶媒中では基底状態となることが明らかとなった。誘電率80の極性溶媒中では、CHCl+Clのエネルギー値は反応物(CH+Cl)と比較して11.2kcal/molとなることがB3LYPレベルで計算された。このことは、この反応が気相中よりも極性溶媒中でより起こりやすいことを示唆している。
清水 雄一; 杉本 俊一*; 河西 俊一; 鈴木 伸武
Laser Chem., 17, p.97 - 108, 1997/00
過酸化水素存在下でのマレイン酸溶液の光化学反応をエキシマレーザーを用いて研究した。レーザー光の波長効果の研究から、オキシ酸の生成にはXeF光(351nm)が有利であることがわかった。XeF光による水溶液中の反応では、グリコール酸が主生成物であり、酒石酸生成の選択率は非常に小さかった。しかし、水に1,4-ジオキサンを添加すると、その選択率は急激に増大し、ジオキサン溶液中では、約80%の選択率が得られた。このように、少量の過酸化水素を含むマレイン酸の1,4-ジオキサン溶液を室温でXeFレーザー光照射すると、酒石酸が選択的に直接合成できることを見出した。一方、メタノール、N,N´-ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフラン溶液中の反応では、酒石酸の選択率は水溶液中の反応に比べてほとんど増大しなかった。これらの結果に基づいて、酒石酸の選択的生成の反応機構を考察する。
長縄 弘親; 太田 康雄*; 館盛 勝一
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 69(10), p.2869 - 2875, 1996/00
被引用回数:3 パーセンタイル:27.57(Chemistry, Multidisciplinary)ドデカンのような無極性溶媒中においては、溶質と溶媒との間の相互作用が非常に小さいため、溶質間(ここでは硝酸分子と水分子間)の相互作用の大きさを見積るのに適している。本研究では、このような不活性溶媒を利用して、硝酸の水和、およびそれに伴うイオン化の本質を明らかにするものである。分配法は、溶質(極性物質)の濃度を大きくできない無極性溶媒の系に適した手法であり、さらに溶媒の効果を評価できるという利点がある。ドデカン中では、ベンゼン中と同様に分子性硝酸1水和物とイオン性硝酸10水和物が見つかったが、これらの水和物の生成に及ぼす溶媒の効果をドデカンとベンゼンで比較することができる。ベンゼンはどちらの水和物もドデカンよりもずっと安定化させることがわかったが、分子性硝酸1水和物の安定化効果の方が大きく、その結果、ベンゼン中ではドデカン中ほど硝酸のイオン化は起こらない。
A.Safranj*; 大道 英樹; 岡本 次郎
Radiation Physics and Chemistry, 29(1), p.57 - 63, 1987/01
テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体のテトラヒドロフラン溶液を真空中で照射し、ゲル濾過クロマトグラフィ、赤外吸収スペクトル、質量分析などにより、分子量および分子量分布、化学構造の変化などを調べた。ポリマー濃度が濃厚な場合は照射によって主として橋かけ反応が進行するが、濃度を低くすると共に主鎖切断の寄与が大きくなった。希薄溶液の照射では共重合体中にメチレン基、ビニル基などが生成した。発生ガスの大部分は水素であり、微量成分として、メタン、エチレン、一酸化炭素、二酸化炭素などを検出した。以上の結果より、希薄溶液におけるテトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体の化学構造の変化および分子量の低下は、主として溶媒テトラヒドロフランのラジカルの作用によるものであると結論した。
大道 英樹; 岡本 次郎
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 20, p.1559 - 1568, 1982/00
イオン交換膜を合成するために、ポリエチレンや含フッ素ポリマーフィルムにメチルトリフルオルアクリレートを放射線グラフト重合せしめた。反応中にフレオン113が存在する時グラフト率は影響を受けなっかったが、メタノールが存在すると低下した。フィルムの厚み方向でのグラフト鎖分布をXMA法によって調べたところ、フレオンなしで反応を行なった場合は、グラブト鎖が膜の表面近傍に集中しているのに対し、フレオン存在下で反応を行なった場合は、膜の中心部に集中していることがわかった。この現象と関連して、前者のグラフトフィルムに比べて後者のグラフトフィルムでは、より少ないグラフト率によって膜抵抗の減少がもたらされた。これらのグラフトフィルムの耐薬品性についても調べたところ、すぐれた耐酸化性を有することを見出した。
大道 英樹; 荒木 邦夫
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 14(11), p.2773 - 2783, 1976/11
第四開発室で行なっているスラリー状態での放射線グラフト重合に関連して、溶媒中でのグラフト重合の速度論的考察を行なった。ポリマーとしてはグラフト鎖を単離することができるポリイソブチレンオキサイドを選び、電子線で前照射してスチレンをグラフトした。グラフト率,グラフト鎖の分子量共、スチレン単独で一番大きく、次いでスチレン・メタノール系、スチレン・ベンゼン系であった。この順序はポリマー中のスチレン量だけでは説明できなかったので、速度論的考察により各素反応の速度定数を求め、三つの系についてそれらを比較した。その結果、開始速度,成長速度定数には溶媒による差が顕著でなかったのに対し、グラフト率,グラフト鎖分子量がともに小さくなるスチレン・ベンゼン系では停止反応速度定数が他の系に比べて極端に小さくなっていることがわかった。またスチレンの単独重合と比較するとkp/ktの値が10~10倍になっており、グラフト重合では生長鎖の動きが抑えられていた。
大道 英樹; 荒木 邦夫; 高橋 太*; 安川 民男*; 村上 謙吉*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 14(10), p.2365 - 2375, 1976/10
我々は先にポリエチレンに対するグラフト重合反応により生成したグラフト鎖の鎖長,鎖数を計算によって求める方法を開発し報告したが、グラフト鎖分子量の実測値と計算値との比較ができなかったため、この方法の妥当性をチェックできなかった。そこで本報告では、ポリエチレンと同様にグラフトすることができ、しかも分解可能なポリマーとしてポリイソブチレンオキサイドを選び、グラフト反応を行なった。照射により生じたラジカルの原子スピン共鳴スペクトルの測定から、真空中照射ではアルキルラジカルのみが、また空気中照射ではアルキルラジカルとパーオキシラジカルが2対3の割合で生じることを明らかにした。この照射サンプルを用いてスチレンをグラフトし、反応時に溶媒を共存させたときのグラフト率の変化を調べた。また反応中のラジカルを臭素標識して、その放射化分析から反応に使われたラジカル数を求め、生長速度,平均寿命を計算した。これを基に分子量を計算すると実測値と極めてよく一致した。
萩原 幸; 鍵谷 勤*
工業化学, 73(11), p.2261 - 2265, 1970/00
化学反応における溶媒の作用は,一般には溶質である反応分子を取り囲む環境の変化として論ぜられる。放射線化学で問題となる放射線と物質との相互作用の多くは電子過程であり,分子が電離してイオンとなるか,電子的に励起して反応が開始する。またこれら活性種における結合が開裂すればラジカルが生成するから放射線化学反応に対する溶媒の影響はイオン,励起分子およびラジカルによる反応のそれぞれについての効果を検討しなければならない。